歌舞伎初心者におススメしたい「六本木歌舞伎 羅生門」感想

もう2019年も上半期が終わったとか嘘だと言ってくれ。

仕事に忙殺されかけていましたが相変わらず細々とジャニオタです。

上半期唯一のジャニ現場が「六本木歌舞伎 羅生門」。

やっぱり生の舞台は最高だよね、ってことで完全に今更だけど記録を残しておきます。

海老蔵さんのAスタジオも見ました。良い方ですよねと言ってくださってた海老蔵さん。まだ交流も続いているようでうれしいなあ。そしてかんかんとけんけんの交流…^^

 

大好きな滝沢歌舞伎からつながった六本木歌舞伎の舞台。

健くんのお仕事に対する姿勢が評価されて次の仕事につながるなんて、本当にすごい。しかもガチ歌舞伎。

 

私は歌舞伎を見たことがなかったので、事前知識は0。(それこそ、滝沢歌舞伎くらい…)勉強する時間もなく、果たして理解できるのか心配だったけれど、めちゃくちゃ楽しかったです。私みたいな歌舞伎初心者にこそ見てほしい舞台でした。だってまんまと歌舞伎が見たくなってるから。

健くん案外歌舞伎のお化粧似合う!!!!というのも今回の新たな発見。

 

稽古期間が短いというのは聞いていたし、健くんがどんなふうに歌舞伎の世界に入るのか、どの程度まで求められるのか、ドキドキワクワクしながら大阪へ。

鉈切り丸以来のオリックス劇場、リニューアルされててびっくり。中にタリーズとかあった。綺麗で快適だった。

内容的には本当に何も考えなくても楽しく見られちゃうんだけど、ふと立ち止まって「あのシーンは…」とか考えるといろいろな可能性が出てきたりして、深い所は深かった。海老蔵さんが、三池監督が、何を表現しようとしてるのか、想像が広がる舞台だった。(ただ、2公演見て、最終的に健くんの『通天閣!』にすべて持ってかれてる私と友人 笑)

 

あらすじ

幕が上がると、雲の上のような舞台装置。京の都を荒らす茨木童子海老蔵さん扮する渡辺綱が戦って、茨木童子の腕が切り落とされる。

場面がかわって平安時代の京都。戦乱で都は荒れ果て、羅生門は死体の捨て場所にもなっていた。健くん演じる下人は、客席通路から登場。数日前に主から暇を出され、食うものにも寝る場所にも困っていた。雨宿りをするため羅生門に入った下人は、死体の髪の毛を抜きかつらにしようとする老婆と出会う。

老婆の行動を責める下人に、老婆は、ここに死んでいるものは生前も酷いことをしていたのでこのくらいされても仕方がないものばかりだ、という。そして下人にお前には「勇気」がないのか、と問う。生きるためにはどんなことでもする、そんな「勇気」がないのかと。

(ここの老婆役の海老蔵さんが本当にすごい。配役見てわかっててもあの低音の海老蔵さんだと信じられないくらい本当におばあさん。あと初見だとどこで海老蔵さんと老婆が入れ替わったのか全然わからなかったw歌舞伎役者すごい)

その言葉を聞いた下人の顔がかわり、そこまで言うのなら身引きをしても恨むまいなと老婆の着物をはぎ蹴飛ばす。ここで原作は終わる(老婆は死なない)のだが、舞台では老婆が本当に死んでしまう。そこに背後から老婆の衣を狙った茨木童子があらわれ、下人は切り殺される。

そこに、客席通路から灰色スウェットの海老蔵さんがジョギングしながら登場(笑)「海老蔵役」とはこのことだった!ここからは、半分健くんな下人と「海老蔵」さんとのアドリブたっぷりのやり取り。ここ本当に最高だった…

 

大筋は「こんな下人の人生で終わるのは嫌だ」という下人に、「海老蔵」さんが「自分はこの公演の間だけは違う人生を生きなおさせてあげられる権限を持っているけどどうする?」と問い、「違う人生を生きたい!」という下人、わかったわかったといって健くんが赤い幕で隠され、渡辺の綱の家来である宇源太(仮)(毎日名前が変わる)に早変わり。きりっとした顔つきになり、立ち姿も凛としてかっこいい!!!!!!!

と、下人が転生を繰り返す中でそれぞれの善と悪、道理について考えていくお話。

ポイント1:ストーリーが分かりやすい

 

会見で海老蔵さんが「三宅ファンの人は三宅健だけ見ていればいい」とおっしゃっていたけれど本当にそうだった。健くんは難しい歌舞伎口調の台詞もほとんどなく、話の中心となるのが健くん演じる下人だった。だから、健くんを見てさえいればストーリーはわかるし、そう難しくもない。でも、健くん周りでは本職の歌舞伎役者さんによる歌舞伎のシーンなんかもたくさんあって見ごたえがすごい。テーマである「エゴイズム」も下人の行動から感じられる部分も多い。

あの短い羅生門でどう舞台を作るんだろう…と思ってたけど、私の思ってた羅生門は最初30分たつころにはもう終わってて、まあそうだよなとw

 

 

下人は劇中で合計3回死んでしまうんだけど、そのたびに下人の生に対する考え方が変わっていっておもしろかった。

 

下人(1回目)は、「勇気」についての老婆の話を聞き、「生きるためなら卑怯なことだってやってやる」という開き直りにより一歩踏み出す(人としての道は踏み外す)。→老婆は死に、自分も茨木童子に殺される。

下人(with海老蔵1回目)は、「下人よりも良い(身分の)人生を生きなおしたい」と神様に頼み、生まれ変わる。

宇源太(仮)には、下人の記憶はない。真面目に渡辺綱に仕え、主君のために働く。主君の言いつけを忠実に守り、鬼の腕を守り抜こうとする。敵に襲われ、囲まれても一歩も引かない勇気がある。→それでも、やはり茨城童子に殺される。

下人(with海老蔵2回目)は、下人よりも良い人生を真面目に生きたのに同じ茨木童子に殺されたことに戸惑う下人、焦りながらも「もう一度だけ…」と神様からのさらなるムチャ振りをこなし、生まれ変わる。

下人(2回目)は、最初と同じ下人の人生を繰り返していることへの驚きと戸惑いがあったが、結局は1回目と同じ結末を迎える。→下人は茨木童子に殺されるが、老婆は下人に「勇気」とは何か、と語り掛ける。

それを聞いた下人は自分自身と立ち向かい、心の闇(?化身みたいなものかなと思った)、茨木童子と戦うも勝ち目なく、手下みたいなんに弄ばれる。(ここでのターンがキレッキレだった)

そこに最初のシーンで茨木童子の腕を切り落とした三升屋兵庫之助三久が登場、力を借りてついに下人は茨木童子を打倒し、天から降りてきた蜘蛛の糸へと昇っていく…。

というあらすじ。

結局は下人がループの中で自分の心の弱さと向き合い、勇気とは何か考えていく中で結局自分さえよければという心(エゴ)と戦って抑え込むことで解脱をむかえたのかな、と。最後に自分なりの答えにたどり着いた下人のキリリとした顔、かっこよかった。

 

 

 

ポイント2:本格的な歌舞伎のシーンの迫力がすごい

ところどころ、「本職これ滝沢歌舞伎で見たことあるやつ!」というシーンもありながらも、歌舞伎役者さんたちのシーンの迫力がすごい。その中でも海老蔵さんのオーラ半端じゃないんだけども。めっちゃ興奮する。

特に三升屋兵庫之助三久が出てくると動きが大きくなって力強く、かつ立ち回りに華があってカッコよくて!

最後の場面で蜘蛛の糸に上っていく下人はもう下人ではなく、衣装もきれいなものになって顔つきもきりっとしてた。でもそれ以上に、海老蔵さんの!見得が!!!迫力満点で!!!!!!この時ばかりは健くんじゃなくてそっちに目を奪われた。

完全に圧倒されました。これが本物か。

立ってるだけで迫力がすごいのに、1階の一番後ろから見てても見得を切ったときに空気に圧されるものがあった。ワンピースの覇王色とか、ハンターハンターの念とかで圧倒されるモブこんな感じなのかな…

 

 

ポイント3:健くんと海老蔵さんのやりとり

オタク的にはここを外すことはできません(笑

滝沢歌舞伎ではおちゃめで自由な先輩っぷりを十二分に発揮していた健くん。

初めての歌舞伎の世界ということもあって、海老蔵さんに押されまくってる後輩健くんがめちゃくちゃかわいい。モノマネもいろんなのやらされて焦ってるのほんと可愛い。海老蔵さんに失笑されてるの可愛い。でもなんだかんだフリーダムにやってる健くん可愛い!!!!

私が見た回では

・陳さん「BカップノBハ『バカにしないでよ~』ノB!!」

・「アカン」で会話する大阪のおばさん

・「通天閣!」

・メリーさんの真似「松岡、そこにお茶置いたらおっこっちゃうでしょ!」

こんな感じでやらされてて、ただただ爆笑しながら見てた。これを毎公演流れは同じで違うものを…と思うと健くんも海老蔵さんもほんとすごい。

すべてがすべて楽しい話ではないんだけど、見終わった後もなんだか爽快で、楽しくて、「もう一回みたいな」「今度は本当の歌舞伎みたいな」って思えるような、そんな作品でした。またいつか、海老蔵さん三池監督と共演してくれるのを待ってます。

 

Vコン今年はないよーって発表してくれる健くんのやさしさがあったり、40歳の誕生日があったり、なによりドラマ!!ひさっしぶりのドラマ!(山田くんよろしくお願いします)チャラヤンキー!40歳のチャラヤンキー!

今年の夏も暑い夏になりそうです。